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海水について

比重とは

飼育水の塩分濃度を適正に保つことは、海水魚やサンゴを飼育するために欠かせません。比重計 ディープシックス

塩分濃度を把握するには、

飼育海水の比重を測定すると便利です。

比重計は、熱帯魚屋さんで入手できます。

 

飼育水の比重を1.020〜1.023の間に保つように、

定期的に比重を測定しましょう。

 

例えば、冷却ファンを使うと、

飼育水は毎日数リットルも蒸発します。

このとき、淡水(水道水)で足し水を繰り返しても、

その淡水がミネラル分を多く含んだ水(硬水など)の場合、

飼育水の比重はどんどん上がってしまいます。

 

この理由で比重が高くなりすぎた場合、淡水を使って、極少量の換水を行うと良いでしょう。

水量50Lの水槽なら、

飼育水を1L程度抜き、淡水(水道水)を1L足せば、少し比重は下がります。

時間をあけて、同じ作業を繰り返して、比重を1.020〜1.023に保ちましょう。

 比重計 プチメーター

このとき、比重を 0.002以上急激に変動させないように

気をつけましょう。

急激な比重変化は、魚やサンゴに悪影響を与えます。

 

 

ところで、海域によって、海水の比重は結構違います。

当社のデータでは、

紅海やカリブ海(1.023程度)は、

太平洋(1.020程度)よりも高い比重でした。

紅海の魚の方が、太平洋の魚よりも色が濃いのは、

この海水濃度が違うことが原因なのかもしれませんね。

 

 

 

 

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海水中にあるミネラル

天然海水中には、80種類以上のミネラル分(無機物)が溶けています。

その内、動植物に必要とされている必須ミネラル分は、30種類弱あり、

現在の人工海水には、この必須ミネラル分の大部分が含まれていると思います。

 

ミネラルの中でも、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムのように、比較的多量に存在するものに対して、

鉄やモリブデン、バナジウムといった、水中には極微量しか存在しないものを、微量元素として区別する場合があります。

 

水槽での飼育環境では、

魚は、餌からミネラル分を摂取している場合が多いでしょうが、

サンゴやイソギンチャクの多くは、水槽内の水からミネラル分を取り込んでいる場合が多いのです。

そのため、ミネラル分が欠乏すると、

サンゴの開きが悪くなり、そのままでは死亡することもあります。

 

必須ミネラルを過不足なく飼育水中に存在させることが、

サンゴを長期間、状態良く飼育するコツの1つと言えるでしょう。

 

ミネラルを吸収して育つサンゴたち

 

 

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ミネラル豊富な海水に

水槽内での飼育環境では、魚やサンゴが、ミネラルを吸収していくため、

飼育海水中のミネラルがどんどん減ってしまいます。

その足りなくなったミネラル分の補給方法は、一般的に次のようなものがあります。

@換水する

A添加剤を入れる

B底砂からの溶解

Cカルシウムリアクター設置

 

ミドリイシのようなポリプの短いイシサンゴ(SPS)を高密度にして飼育したい場合は、

カルシウムリアクターを設置した方が、飼育管理もラクで、

サンゴもどんどん、それこそ自然環境下よりも速く成長します。

しかし、カルシウムリアクターは高価で、取り扱いにもコツが要ります。

 

ソフトコーラルやポリプの長いイシサンゴ(LPS)、イソギンチャクを飼育する場合は、

上記@ABのミネラル添加法との組み合わせでも十分長期飼育が可能です。

 

 

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人工海水をつくる水 〜水道水にケイ酸・硝酸が多い場合〜

人工海水をいい水で私の家のサンゴも育ちますようにつくるときの水について、

注意することがあります。

 

海水魚や、

飼育の比較的やさしいサンゴを飼うときは、

塩素を中和した水道水で、

人工海水をつくれば良いでしょう。

 

しかし、一部の地域の水道水は、

ケイ酸、硝酸濃度が高い場合があるのです。

 

そのような水道水を使用すると、

茶コケの発生が多くなったり、

ミドリイシはもちろん、LPS系のサンゴも開きが悪く、

長期飼育が難しくなります。

 

では、この場合、どうすればサンゴを良い状態で飼えるのでしょうか?

5つの対策をご紹介したいと思います。

 

対策@ 水槽に蓋をして飼育水の蒸発量を減らし、水道水での足し水を減らすことで、

      ケイ酸、硝酸の濃縮・蓄積を低減できます。

      しかし、冷却ファンを使っている場合はこの方法は使えません。

対策A ケイ酸除去剤(シリケイトリムーバー)リン酸除去剤(フォスフェイトリムーバー)を使用する。

      ただし、一部の微量元素も除去してしまうので、

      説明書をよく読み、使用量に注意して、添加剤も併用する。

対策B RO水(逆浸透膜濾過装置で濾過した水)を使用する。

      予算が許すなら、とても有効です。 

対策C 天然海水を使用する。

      汚染されていない清浄な天然海水が入手できるのでしたら、

      良質な人工海水を、RO水やきれいな雨水で溶かしたのと同じで、

      理想的な飼育水と言えます。

      最近の人工海水は、

      微量元素を天然海水以上に強化してあったり、緩衝力を高めてあるなど、

      ある部分で天然海水を超えたものもありますので、優劣を決めるのは難しいのです。

      しかし、ケイ酸や硝酸の多い水道水で溶かした人工海水と清浄な天然海水を比べれば、

      清浄な天然海水に軍配が上がるでしょう。

      最近は天然海水を取り扱われている小売店様も多いので、お奨めです。

対策D 雨水を使用する。

      雨水は、本来、RO水と同等以上に純度の高い水であると考えられます。

      しかし、大気の汚染状況や、天候にも大きく左右され、

      逆に悪影響を及ぼす可能性もあるので、リスクが高く、

      今のところ、雨水利用については、あまりおすすめしていません。

 

 

日本の水道水の場合、LPS系のサンゴなら、手軽な対策@Aで、たいていは飼育可能だと思います。

しかし、水質に敏感なSPS系のミドリイシなどといったサンゴを美しく飼育するには、

一層純度の高い水が必要なので、RO水を使用することが理想的です。

 

 

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